暑い夏こそ、カラダが求めてしまう「カレー」。
猛暑でも、スパイシーな匂いが漂えば、たちまち食欲が呼び起こされる。
実はエキマチって、隠れたカレーの聖地。
本格的なインドカレーから、王道の欧風カレー、懐にやさしい大衆カレーまでなんでもござれ。
まずは、おさえておくべき7軒をご紹介しよう。
取材・文=味原みずほ 撮影=中村宗徳
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サングリア タイカレー(チキン) 1300円
爽快かつ鮮烈な辛さ! 個性派なタイカレー
洋食レストランでありながらランチタイムはタイカレーを求めて行列ができる異色の店。香り高いジャスミンライスに20種類以上のスパイスを使ったカレーをかけて頬張れば、爽快なまでにパンチの効いたストレートな辛さ。ココナッツミルクを控えめにして、深みのある辛さを追求したというシェフの「現地より辛いです」という言葉に納得。それでも、もの足りないと感じる人はナンプラーに漬け込んだ青唐辛子"ピキヌ"(+100円)をお好みで。
「マイルドも選べるので辛さが苦手な人もご安心を」とソムリエでもある店長の山崎さん。夜はワインとともに生ハムやグリル料理などを楽しめる洋食レストラン。昼はカレーのみの提供だ。サングリア
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ドンピエール エクスプレスカレー東京駅店 特製ビーフカレー 1650円
極上の素材を生かした 究極のビーフカレー
高級洋食の名店『ドンピエール』で人気の高いカレーを気軽に味わえる欧風カレー専門店。フランス料理のシェフが丹念に作るこだわりのカレーは食材選びにも余念がない。看板メニューの特製ビーフカレーには、A5ランクの黒毛和牛のバラ肉とホホ肉がゴロリと入っている。口の中で、肉汁の芳醇な甘みとスパイシーで濃厚なカレーが混ざり合った味わいはまさに絶品。アカシ料理長は「上質な食材のもつ旨味をそのまま生かしているだけ」と言うものの、20年以上かけてたどり着いたという究極のビーフカレーは感動必至の一品だ。
不動の人気を誇る特製ビーフカレー。アカシ料理長が調理する様子も眺められるオープンキッチンのある店内では、フュメドポワソンをベースにしたホワイトカレーなど、フレンチの技術で仕上げたカレーも楽しめる。ドンピエール エクスプレスカレー東京駅店
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3丁目のカレー屋さん 焼きチーズビーフカレー 1400円
スパイスとフルーツが 絡みあう奥深い旨味
オーディオから流れるクラシックを聴きながらゆったりと味わえるこちらの人気メニューは、スパイスの香りを放ちながらグツグツの状態で提供される焼きチーズビーフカレー。とろみとコクがあり、23種類の香辛料を効かせたスパイシーな味わいの中にはどこかフルーティーな甘みも見え隠れ。この深みのある味の秘密は、とろみ付けの小麦粉のかわりにペースト状にしたホウレンソウやクレソン、リンゴ、バナナをたっぷり使っているからだとか。オーブン焼きにもかかわらず、粒立ちまでしっかり感じられる鍋底のふっくらご飯にも感服。
優雅な雰囲気の店内には、大澤料理長の父上が手に入れたNYのカーネギーホールで実際に使われていたという1954年製のアンプとスピーカー、大正時代の蓄音器が設置されている。カレーだけでなくクラシック音楽も本格派。3丁目のカレー屋さん
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マンハッタングリル チーズハンバーグカレー 980円
山形三元豚のハンバーグが さっぱりジューシー
国産食材の中でもとりわけこだわって半頭買いしているという山形三元豚。ランチには甘みと深いコクのあるこの山形三元豚を、贅沢に使ったチーズハンバーグカレーが味わえる。チーズがとろ~りのったハンバーグは山形三元豚と国産鶏肉を1対1の割合で手でこねて作るため、肉々しくジューシー。なのに、比較的脂身が少ないため後味はさっぱり。甘み、酸味、スパイスの辛さのバランスがとれた口当たりなめらかなカレーとの相性は言わずもがな。
NYのレストランを彷彿させる趣の洋食店。山形三元豚や山形コシヒカリなど山形の食材にこだわっているという鈴木シェフ。ランチのチーズハンバーグカレーはサラダとドリンク付き。マンハッタングリル
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札幌ドミニカ銀座店 特選チキン野菜カリー 1200円
彩り豊富な旬野菜が たっぷり!
本場、札幌の人気店からのれん分けしたスープカリーの専門店。一押しは12種類の旬野菜がトッピングされた特選チキン野菜カリー。魚介類と豚骨でとったスープに10種類のスパイスを織りまぜたオリジナルスープはコクがあるのにあっさり。茹でる、蒸す、揚げるなどの調理法で引き出された旬野菜の甘みや食感、香ばしさが口の中でスープと絶妙に絡み合う。身がほろっとほぐれるほどやわらかく煮込んだチキンレッグも味わい深い。
元板前の千田シェフが素材の持ち味を引き出して調理したトッピングの旬野菜はそのまま食べても絶品! ライスはバターと醤油でほんのり味付けした味わい深いターメリックライス。カレーの辛さは10段階から選べる。札幌ドミニカ銀座店
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マーブル インドカレー 850円
40年間愛され続ける 昔ながらの王道の味
定番のインドカレーは、インドカレーと呼ぶものの、「そうそうこの味」と日本人の舌になじみ深い昔ながらの欧風カレー。前日に仕込み一晩寝かせてから提供する味は、とろとろになるまで煮込んだタマネギのやさしい甘みとポークの旨味が溶け込んだ、まさに王道の味。じわっと効いてくる辛さも心地よい。リンゴ酢ドレッシングでさっぱりと味付けしたシャキシャキのキャベツとの絶妙なコンビネーションを求めてくる人で連日行列だ。
およそ半世紀、有楽町ビルヂングの歴史とともに歩んできた『マーブル』。「はじめの10年間はコーヒーショップだった」という2代目マスターの佐藤さん。カウンター11席のカレースタンドは回転率も高い。15時で終了。マーブル
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紅花別館 スリランカ産30種類のスパイスの激辛チキンカレー 1620円
複雑な旨味がじんわり 広がる辛さ
洋食の草分け的存在である老舗のランチは、壺に入ったココットカレーが定番。8種類あるココットカレーのなかでも一番人気は、スリランカ産30種類のスパイスの激辛チキンカレーだ。さらりとしたスープ状のカレーは確かに汗がにじみ出るほどの劇的な辛さ。現地スリランカで配合するというスパイスの中身は企業秘密だが、激辛のなかにもどこかエキゾチックな香気を放つ味わい深さがあり、気づけばもう虜になっている!
「壺の蓋を開けた瞬間、湯気とともにふわりと立ちのぼるスパイスの香りもお楽しみください」と外波調理長。1階は鉄板焼店だが、ランチ時はカレー目当てのお客さんでいっぱいに。2階は広々とした洋食ダイニング。紅花別館