エキマチの美しき〝日本〟 「無料スポット」

首都東京の中心に位置するエキマチには「これぞ日本の様式美」と言えるものたちが数多く存在する。
情緒と哀愁にあふれる「渋酒場」、古き良き昭和を感じる「純喫茶」、ホスピタリティとサービス精神に満ちた「無料スポット」、いかなる空間も無駄にしない、という工夫を感じる「路地」や「高架下」。そして細部にまでこだわりぬいた美しき「和グルメ」。
エキマチだからこそ見つけられる日本のストロングポイントを、十分に堪能してみよう。

編集協力=小野 和哉(都恋堂)、松村 美保 取材・文=佐藤 さゆり、増山 かおり、名嘉山 直哉
撮影=丸毛 透、平澤 誠司、竹内 浩務(スタジオダンク)、中川 有紀子

    • 日比谷公園
    • 日比谷公園

    日比谷公園

    1903年(明治36)に開園した日本初の近代的な洋風公園。園内は、西洋文化の象徴「洋花」「洋楽」「洋食」を取り入れ、海外諸国の様式を踏襲しながらも、日本庭園の手法も織り交ぜ、和魂洋才を込めて設計。S字形の園路を軸に、池や樹林、花壇、芝生などが配され、音楽堂やレストラン、図書館など多彩な施設を備える。開園当初に植えられた苗木たちは110余年の時を経て、高さ10~15mもの大樹に育っている。

    日比谷図書館内のカフェ『Library Shop&Café Hibiya』では東京や江戸、日比谷関連の本に加え、文具の販売も(カフェ利用は有料)。千代田区の歴史を学べる『千代田区立日比谷図書文化館 常設展示室』。江戸時代の堀を巧みに活かした心字池。

    日比谷公園

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    • 三菱一号館 歴史資料室
    • 三菱一号館 歴史資料室

    三菱一号館 歴史資料室

    1894年(明治27)に竣工した旧 三菱一号館。老朽化による解体(1968年)から40年余りの時を経て復元され、2010年春に美術館としてよみがえった。美術館に併設された歴史資料室では、建築当初の図面のコピーや写真、映像や再現家具、ファッションなどから、建設当時のオフィスの雰囲気が体感できる。40分の1サイズのミニチュア模型(写真右)には、かつて銀行営業室に飾られていたというおかめの面まで忠実に再現されている。

    明治期の執務室の面影が漂う。実物の40分の1の模型はバルコニーのハトなど、細部にこだわりがあるので、よ~くご覧あれ。

    三菱一号館 歴史資料室

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    • 明治生命館(旧 第二号館)
    • 明治生命館(旧 第二号館)

    明治生命館(旧 第二号館)

    当時珍しかったレンガ造りの三菱第二号館は1895年(明治28)に竣工。1918年(大正7)から明治生命(現・明治安田生命)が本社として単独使用を開始。現存の建物は1934年竣工の2代目。大型の石造建築で、昭和建築としては初めて国の重要文化財に指定された。現在も本社ビルとして活用。古典的意匠が施された店頭営業室、戦後の対日理事会の舞台となった会議室など、歴史的価値の高い部屋が見学できる。

    1階の店頭営業室は吹き抜けになっており、古典的意匠が施されている(写真左)。昭和初期の色香を漂わす石造建築(写真右)。

    明治生命館(旧 第二号館)

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