ここでしか見つけられない「●●」がたくさんあるのが、専門店の楽しいところ。
日常的に目にするモノながら、驚くほど精緻なものが見つかったり、日常的にはほとんど見ることのない珍しいモノをじっくり眺められたり……。
その深遠なる面白さにじっくりと浸りたい。
編集協力=小野 和哉(都恋堂)、篠原 美帆 取材・文=岩本 恵美、塩田 麻衣子、名嘉山 直哉、おおしま りえ 撮影=北原 千恵美、藤井 優美子(スタジオ玄)、平澤 清司、三輪 友紀、中村 宗徳
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ミタケボタン
ボタンの力で装いの可能性を広げる
創業70余年のボタン専門店。店内には、国内メーカーおよびイタリアを中心とした海外メーカーからも大きさや彩り、デザインも様々なボタンがズラリと並ぶ。また、オリジナルボタンの企画、製造も行っている。シンプルなフォーマルウェアも、装飾を施したボタンにするだけで華やかな場でも映えるものに変わる。つけるボタンの数と生地の厚さのバランスが大事なので、洋服を持参して合わせながらボタンを選ぶのがベストなのだそう。
ミタケボタン
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日本橋鰹節専門店 大和屋
プロ御用達の本格鰹節専門店
江戸時代末期創業の老舗。最上級の本枯れ節から気軽なだしパックまで取り揃え、プロの料理人から一般客まで、幅広い客層に支持されている。削り節パックは自社工場で削り、パッケージングしているので鮮度は抜群。だし用、サラダ用、ごはん用など様々な場面で活用できる。本枯れの鰹節を細かくして、袋に入れた「おふくろぶし」880円~は1袋で1杯分の本格的なだしを気軽にとることができる。削り器付きのギフトセットも用意。
削りたての鰹節は、ふわりと口の中でとけるような食感。「おふくろぶし」や「ウォーキング昆布」はお土産にも最適。日本橋鰹節専門店 大和屋
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日本橋さるや
香り豊かな黒文字(くろもじ)楊枝でおもてなし
江戸時代から300年以上続く楊枝専門店。外壁の白色とのれんの藍色が、潔い江戸の粋を漂わせる。クスのキ科の「黒文字」という樹木から作られる楊枝は、弾力性があり先端が割れにくく、折ると清涼感ある香りを放つ。季節感や色彩感にあふれたちりめんの楊枝入れ972円~は、女性や外国人観光客などにも人気が高い。2018年に向け、干支の戌を描いた桐箱に入った黒楊枝は、お年賀はもちろん、お土産や内祝いにも喜ばれる。
看板商品「千両箱」756円~は、楊枝を「金千両」と記した桐箱に納めている。日本橋さるや
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甲冑専門 紀の国屋
国内外からも高い評価を得る甲冑
国内でも少ない甲冑専門店。江戸時代、安土桃山時代、室町時代の兜や刀装具、馬具などはどれも見応えがある。武具は漆の乾燥に気をつけるだけで特別な手入れが不要とあって、ヨーロッパなどの古美術品愛好家からも注目を集める。また、海外では投資目的で購入する人も少なくないという。そのため、店内はいつも海外から訪れた甲冑ファンで賑わっている。また、家で眠る甲冑の買取り査定なども行ってくれる。
兜5万円~はもちろん、采配3万5000円~や扇、弓などの小道具も幅広く取り揃えている。甲冑専門 紀の国屋
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佐々木印店
歴史との縁深き老舗の印章店
もともと徳川家御用達の御印判師(ごいんばんし)として仕え、将軍や御三家、御三卿、諸大名の印章を手がけてきた店。今でいう注文書や御用日誌など貴重な史料が保管されている。印鑑は用途と黒水牛、白水牛、象牙などの中から希望の素材、制作期間によりデザインを決めていく。天然素材は一本一本風合いが異なるため、気に入ったものを見つけるのも楽しい時間になる。柘植小判認印は2字で2268円~相談可。
歴代徳川将軍が用いた「花押(かおう)」など、この店の歴史を語る貴重な史料も。佐々木印店
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ぶよお堂
「!」が見つかる奥深き地図の世界
地図専門の出版社が営む店。国土地理院による地形図を始め、世界の1000個以上の海外地図のほか、古地図や地図関連グッズなど、バラエティ豊かに販売。おすすめは伊能忠敬の測量復刻図全セット2万1600円。50代半ばから測量で全国を歩いた忠敬の姿に影響され、ウォーキングを始めるシニアも多いのだとか。2018年1月5日より、店舗スペースを拡大してリニューアルオープン。品揃えもこれまで以上に充実する。
地図記号がマスターできる「地図記号式地図力検査ノート」389円などグッズも充実。ぶよお堂