エキマチ平成史 ~丸の内・大手町~

“東京駅周辺=ビジネス街”だけじゃない。
多彩な商業施設やイベントが生まれ、今や世界的にも感度の高いエリアへ──。
ヨコにもタテにも大きな変貌を遂げた、エキマチエリアの平成を振り返ります。

編集協力=小野 和哉(都恋堂)、篠賀 典子 文=篠原 美帆、福元 駿(都恋堂)、篠賀 典子

ビジネス・経済の中心街から多様性ある街並みへ

 明治の近代化以降、高度成長期にかけてビジネス街として形成された丸の内。平成3年に東京都庁舎が新宿副都心へと移転し、平成7年には旧丸ビルの建て替えを発表すると、平成初期からいち早く再開発に着手した。『丸ビル』、『新丸ビル』、『KITTE』など丸の内を代表する商業複合ビルにはいずれも魅力あるテナントがオープン。週末には閑散としていた丸の内仲通りもブランドストリートへと変貌し、多くの人々が集まる多様性のある街へ姿を変えた。
 一方、多くの金融・報道機関が集まる大手町では、区画ごとに移転し、その跡地にまた別の区画が移転する「連鎖型再開発」が行われている。平成21年に大手町合同庁舎跡地に構築された経団連会館などを含む超高層ビル群に始まり、街並が、次々と刷新されている。地下1500mからは温泉が掘削され、大手町タワー敷地内に整備された3600㎡の緑地「大手町の森」など、ゆとりある経済の街に進化している。

丸の内・大手町年表

平成 3年 (1991)  3月 旧都庁舎(丸の内)閉庁
            2・6月 旧都庁跡地から大名屋敷の遺構発見。東京国際フォーラムの着工一時延期に
平成 5年 (1993)  当時の最先端のコンピューターなどを体験できた「IBM情報科学館」が閉館
平成 9年 (1997)  『東京国際フォーラム』開業
平成11年(1999)  冬季の「東京ミレナリオ」以来、冬のイルミネーションが人気に(現・東京ミチテラス)
平成14年(2002) 『丸ビル(丸の内ビルディング)』建て替え・完成
平成16年(2004) 『オアゾ ショップ&レストラン(丸の内オアゾ)』開業
          「丸の内 de 打ち水」開催。以降、毎年夏の風物詩として開催場所も増加
平成18年(2006) 『東京ステーションギャラリー』が休館し、「ブリック」も閉店に
平成19年(2007)  東京マラソンを機に皇居ランを楽しむランナーが増加
           『新丸ビル(新丸の内ビルディング)』建て替え・完成
平成21年(2009)  ビジネスパーソンのための「丸の内朝大学」開講。朝活がブームに
平成22年(2010) 『三菱一号館美術館』開館。赤れんがの建物は「三菱一号館」を復元
平成23年(2011) 「丸の内 行幸マルシェ×青空市場」初開催。以降毎週金曜の恒例に
平成24年(2012) 『パレスホテル東京』建て替え・竣工
           『東京ステーションホテル』再オープン
平成25年(2013) 『KITTE丸の内(JPタワー)』開業
           『OOTEMORI(大手町タワー)』第1期開業
平成28年(2016)  大手町湧出の温泉をもつ旅館『星のや東京』東京開業
平成29年(2017) 『大手町ホトリア』(大手門タワー・JXビルと大手町パークビル、大手センタービルの3棟で構成)開業
           大手町連鎖型都市再生プロジェクトの第4次再開発として常盤橋地区着工。
           令和9年度には高さ約390mの超高層タワーなどが完成予定
平成30年(2018) 『二重橋スクエア(丸の内二重橋ビル)』開業

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    • 【H9・開業】東京国際フォーラム

    【H9・開業】東京国際フォーラム

    大小8つのホールや34の会議室、ショップ、レストラン、美術館などで構成される総合文化施設。船形をした巨大なガラス棟がシンボルになっている。(写真提供=東京国際フォーラム)

    • 【H11・スタート】東京ミレナリオ(現・東京ミチテラス)

    【H11・スタート】東京ミレナリオ(現・東京ミチテラス)

    平成11年冬のイルミネーションイベント「東京ミレナリオ」から、ライトアップが話題に。写真は平成29年冬の東京ミチテラス。(写真提供=PLXTA)

    • 【H14・建て替え】丸ビル(丸の内ビルディング)
    • 【H14・建て替え】丸ビル(丸の内ビルディング)
    • 【H14・建て替え】丸ビル(丸の内ビルディング)

    【H14・建て替え】丸ビル(丸の内ビルディング)

    地上約180m、37階建て複合商業施設として生まれ変わった。平成19年には、新丸ビルも建て替え。
    平成3年7月の丸ノ内ビルヂング。(写真提供=三菱地所)
    建て替え前の丸ノ内ビルヂングは大正12年(1923)完。

    • 【H16・開業】オアゾ ショップ&レストラン(丸の内オアゾ)
    • 【H16・開業】オアゾ ショップ&レストラン(丸の内オアゾ)

    【H16・開業】オアゾ ショップ&レストラン(丸の内オアゾ)

    都内最大級の書店「丸善 丸の内本店」をはじめ「ビジネスとカルチャーの融合」をテーマとしたレストラン&ショップがオープン。(写真提供=三菱地所)
    『オアゾ ショップ&レストラン』の敷地には旧国鉄の本社が立っていた。

    • 【H25・開業】KITTE(JPタワー)
    • 【H25・開業】KITTE(JPタワー)
    • 【H25・開業】KITTE(JPタワー)

    【H25・開業】KITTE(JPタワー)

    地下1階から地上6階で構成した商業施設KITTEを含むJPタワーは地上38階建て。旧東京中央郵便局舎を一部保存・再生し建築している。(写真提供=KITTE PR事務局)
    昭和6年(1931)に竣工した旧東京中央郵便局の局舎。
    6階のKITTEガーデンは、東京駅や高層ビルの眺望抜群!

    • 【H25・開業】OOTEMORI(大手町タワー)
    • 【H25・開業】OOTEMORI(大手町タワー)

    【H25・開業】OOTEMORI(大手町タワー)

    地上38階建ての高さ約200mの大手町タワーが有する商業ゾーン。(写真提供=東京建物)
    大手町フィナンシャルセンターなどを解体し、跡地を再開発。

    • 【H29・開業】大手町ホトリア(大手門タワー・JXビルと大手町パークビル、大手町センタービルの3棟で構成)
    • 【H29・開業】大手町ホトリア(大手門タワー・JXビルと大手町パークビル、大手町センタービルの3棟で構成)

    【H29・開業】大手町ホトリア(大手門タワー・JXビルと大手町パークビル、大手町センタービルの3棟で構成)

    3棟一帯の街区として命名された「大手町ホトリア」。
    地下には個性的な飲食店が集まる「よいまち」がある。
    大手門近くに位置する約3000㎡の緑豊かなホトリア広場。(写真提供=三菱地所)

    • 【H30・開業】二重橋スクエア(丸の内二重橋ビル)
    • 【H30・開業】二重橋スクエア(丸の内二重橋ビル)

    【H30・開業】二重橋スクエア(丸の内二重橋ビル)

    「本物志向の大人のためのこだわり空間」をテーマに約25店舗が並ぶ。またレストランやバンケット、ウェディング施設を有する東京會舘も新本館として平成31年1月に営業を再開した。(写真提供=三菱地所)

    • 【懐かしのカフェ】ブリック

      窓からは、丸の内・皇居方面をゆったりと眺められた。

    • 【懐かしのカフェ】ブリック

      壁には、東京駅創建時からのれんが。観光客からも愛された。

    【懐かしのカフェ】ブリック

    東京ステーションギャラリー館内にあった喫茶室で、れんがの雰囲気にマッチした内装と、ブレンドコーヒーが人気を博した。平成18年、同ギャラリーの休館、移転に伴い閉店となった。

    • 【平成の流行モノ】皇居ランニング

    【平成の流行モノ】皇居ランニング

    平成期には、皇居の1周約5kmを走るランナーが日常の光景として定着。エキマチエリアには、シャワーなどを備えたランニングステーションも増加している。

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