1日に約42万もの人が利用する東京駅。
普段利用していても、見落としがちな歴史&トリビアスポットが点在している。
目を凝らして見渡せば、いつもと違う駅の姿が見えてくるはずだ!
取材・文=佐藤 さゆり 撮影=丸毛 透
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〔34〕天井のクレマチス
花に込められた、お客さまに贈る言葉
丸の内駅舎のドーム天井部分、真ん中の車輪のモチーフの横に石膏でできた白い花が咲いているのをご存じだろうか。この花は「クレマチス」で、花言葉は「旅人の喜び」。多くの人が行き交う東京駅ならではの祈りが込められているのだ。ほかにも干支のレリーフや秀吉の兜など、天井の装飾は見どころ満載。
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〔35〕軍配の扉
丸の内駅舎の門扉に込めた辰野金吾の思い
東京駅の設計者・辰野金吾が、正対する皇居に敬意を表すために自身がこよなく愛していた相撲からヒントを得て、中央部の門扉にあしらったのが軍配団扇(ぐんばいうちわ)だ。行司が用いる軍配には、天下泰平国家安全などの文字が入ることから、同じことを祈念したと思われる。また、見上げれば丸窓の庇(ひさし)の上に屋根飾りが。こちらは、横綱が取り組み前に広げた両手をイメージした、とも伝わる。
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〔36〕東京駅Photoスポット
顔ハメからプリントシールまでバラエティ豊か!
「北町ダイニング」(改札外・2階)には北町奉行所に由来したお江戸顔ハメ。改札内には駅舎&白い制服の駅長型(丸の内南口)、E5・E6・E7系の新幹線型(京葉線・地下2階)がある。丸の内北口の近くにはオリジナルプリントシールも。
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〔37〕かわいいポスト
丸の内口の改札内外で存在感をアピール!
改札外に立つのは、大正時代製造の丸型ポスト。また、改札内の駅舎付きポストには、風景印希望投函口がある。
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〔38〕明治時代の柱
100年間、屋根を支え続けた柱
東京駅開業時、第二乗降場だった5・6番ホームに立つのは、1908年(明治41)製の鋳鉄製柱。役目を終えた今、ホーム南端で往時を偲ばせている。
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〔39〕ゼロキロポスト
複数路線にある! 東京駅起点の証
総武快速線(写真・地下2階)、中央線など、東京駅起点の路線に設置。ホーム中心にあり、路線ごとに趣向が違うのも面白い。
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〔40〕新幹線ホーム下の通路
旅立ちを支える縁の下の力持ち
東海道線10番ホームから隣りを眺めると、ホーム下に人の姿が。実は事務所棟で、車両清掃員の基地なのだ。
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〔41〕潜水艦の潜望鏡
東京ステーションホテルの柱にまつわる伝説
かつてホテル中2階の床を支えた柱は、海軍所有の潜水艦の潜望鏡を代用していたとの伝説が。ただ、信憑性は低いらしい。
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〔42〕銀の鈴待ち合わせ場所の古地図床
東京駅が開業した大正期にタイムスリップ!
古地図は1914年(大正3)当時のもの。ベンチ奥の壁には竣工時の駅舎写真も飾られる。
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〔43〕丸の内坂
エキナカにある唯一名前が付いた坂
エキナカなのに坂標が立ち、まるで街中の様相。7月にはグランスタがエリア拡張し、坂下付近はさらに賑やかになる。