ぶらりエキマチ散歩
京橋

Vol. 29(2020年02月10日号)京橋

ますます精力的に発信!アート&文化を体感せよ

京橋骨董通りを中心に、画廊やギャラリー、古美術店がひしめくこの街に、新たにアートのシンボルが誕生した。長らく休館していたブリヂストン美術館が「新しく現れるアートの地平を見せたい」と、ART+HORIZONを組み合わせた造語の『アーティゾン美術館』に一新。吹き抜けの展示室を生かした大型作品、新収蔵作品の展示のみならず、時代ミックスの実験的な企画展、声優による音声ガイドアプリなど、ざまざまな試みが始まった。
「美術館だけじゃなく、アートと文化をマチナカでもっと身近に体感できるよう、"京橋彩区(さいく)"として発信していきます」とは『京橋彩区エリアマネジメント』の担当者。現在進行中の再開発が完成するのは2024年とまだ先だが、120mにわたる広場『アートスクエア』を創出し、誰もが気軽に芸術文化を体感できるイベントや若手芸術家の育成、情報発信の拠点とする構想だ。
もともと京橋はアートカルチャーが根付き、懐が深くもある。明治末期から映画館が登場し、製作・配給・興行を行う映画会社「日活」が誕生。戦後にかけて複数の映画各社が本社を構えたという。『国立映画アーカイブ』主任研究員の冨田美香さんは、「旧日活本社ビルを活用して、フィルムライブラリー事業が始まったんです」と話す。また、『明治』は「チョコレートの奥深さを体感してもらいたくて」と、本社入り口隣でツアーやレッスンを開催。倉敷の地下足袋老舗メーカーは、日本特有のものづくりの技をモダンに昇華させ、京橋から世界へ発信を始めた。さらに、日本橋も含めた100軒近くが参加する京橋恒例、年に一度の『東京アートアンティーク』は今年、4月23~25日に開催決定。
鑑賞するだけじゃない。歩くほどに五感を駆使する多様なアート&カルチャースポットが、ますます増えていく。

  • アーティゾン美術館
  • アーティゾン美術館

スケールアップして1月18日にオープン!

アーティゾン美術館

ブリヂストン美術館がその名も装いも一新。展示室を約2倍に拡張し、古代美術、印象派などに加えて、現代美術まで幅を広げた。名物の土曜講座やギャラリートークも楽しみ。最適な鑑賞環境を提供するため、日時指定予約制を導入し、ゆったりと鑑賞できる。

ピエール=オーギュスト・ルノワールの「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」(1876年)は、美術館の看板娘。

◎JR東京駅八重洲口・地下鉄京橋駅6番出口から徒歩5分。料金:ウェブ予約1100円(窓口1500円)。10:00~18:00(祝を除く金は20:00まで)、月(祝は翌平日)休。中央区京橋1-7-2
☎03・5777・8600(ハローダイヤル)
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  • 京橋彩区(さいく)

さまざまなアートイベントに注目!

京橋彩区(さいく)

ミュージアムタワー京橋が昨夏竣工し、新TODAビル(仮称)着工に向け、戸田ビルの解体工事が始まった。2つのビル低層部は文化貢献施設を備えた「京橋彩区」として、マチに開かれた芸術・文化拠点を目指す。定期的に「芸術文化講座」が催され、すでにアーティゾン美術館関連のトークイベントも行われた(写真)。来る8月には戸田ビル解体後の敷地広場で催すアートイベントを企画中だ。イベント詳細は随時HPで告知され、申し込みできる。

https://www.kyobashi-saiku.tokyo/
  • 国立映画アーカイブ
  • 国立映画アーカイブ

日本で唯一の国立の映画専門機関

国立映画アーカイブ

国立近代美術館のフィルム・ライブラリーに始まった、映画の収集・保存・復元・公開の拠点。上映ホール、図書室があり、展示室ではモニターなどで、所蔵作品の一部も鑑賞できる。
◎京橋駅1番出口から徒歩1分。展示室は11:00~18:00入室(毎月末金は19:30まで入室)、月休(3月8日~5月28日館内整備のため休館)。展示室250円、上映520円ほか。京橋3-7-6
☎03・5777・8600(ハローダイヤル)
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  • Hello, Chocolate by meiji
  • Hello, Chocolate by meiji

ツアーに参加してカカオの里を旅しよう

Hello, Chocolate by meiji

チョコレートについてリアルに体感できる施設で、ワークショップやレッスンを用意。まずは約1時間のツアーに参加を。チョコレートの原料といえばカカオ豆。VRゴーグルを装着すると、カカオの森、作る工程が手に取るよう。また、映像とともに3種のチョコを試食すれば、味の違い、香りの変化に目からうろこ。

https://www.meiji.co.jp/sweets/hello-chocolate/
◎京橋駅5番出口から徒歩1分。ツアー料金:500円(事前Web予約制)。京橋2-4-16
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  • MARUGO TOKYO
  • MARUGO TOKYO

海外も注目する、地下足袋のモダンシューズ

MARUGO TOKYO

倉敷の老舗地下足袋メーカー『丸五』が手掛けるのは、履くたびに足になじむシューズ。熟練の技をそのまま生かした足袋タイプで、足本来の力を引き出す足育シューズとも称される。海外のダンサーやミュージシャンからも注目を集める存在だ。地下足袋2340円~。
◎地下鉄宝町駅A8出口から徒歩3分。11:00~19:00、日・月・祝休。京橋1-17-1昭美京橋第2ビル1F
☎03・3566・6105
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  • 木雞(もっけい)
  • 木雞(もっけい)

路地を闊歩(かっぽ)する猫に誘われ、古美術店へ

木雞(もっけい)

看板猫トラを抱くのは、店主の大江夏子さん。英国のサザビーズインスティテュートでアジア美術を学び、地の利のいい京橋で開店して21年。年代で異なる風合いを見せる中国の青磁や、口から煙を吐くキューピーの香炉など、確かな目利きで集めた古美術・骨董品は、遊び心あふれる名品が少なくない。
◎京橋駅A6出口から徒歩2分。11:00~18:30、日・祝休。京橋1-6-14 佐伯ビル1F
☎03・3561・7411
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  • 四季彩舎

作家と共に空間を演出

四季彩舎

雑居ビル2階に潜む小さな隠れ家的ギャラリー。2代目の石井信(まこと)さんは作家と共に展示空間をつくり「壁を塗り直したこともあります」と笑う。ミズテツオ、金丸悠児など、現代作家の独創的な企画展で、訪れるたびに様相一変。2月17~26日は「ブルーブルー展」、3月にアートフェア東京に参加。
◎宝町駅A7出口から徒歩1分。11:00~18:30、日休。京橋2-11-9西堀11番地ビル2F
☎03・3535・2131
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  • 山形屋海苔店 京橋本店 喫茶室
  • 山形屋海苔店 京橋本店 喫茶室

シンプルモダンな喫茶室で一服、の愉悦

山形屋海苔店 京橋本店 喫茶室

1764年(明和元)創業の老舗海苔店が昨年リニューアル。ワークショップなども視野に入れた喫茶室を新設した。ひしゃくで茶釜から湯を注ぐ様が風雅で、早稲田『七里香』とコラボしたおしるこ770円などの甘味も用意。また、いそべ餅(お茶付き)660円ののりの風味にもほれる。
◎京橋駅6番出口すぐ。10:00~17:30LO、日・祝休。京橋2-6-21パイロット阪急阪神グリーンビル1F 
☎03・3561・0171
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