エキマチの美しき〝日本〟 「渋酒場」

首都東京の中心に位置するエキマチには「これぞ日本の様式美」と言えるものたちが数多く存在する。
情緒と哀愁にあふれる「渋酒場」、古き良き昭和を感じる「純喫茶」、ホスピタリティとサービス精神に満ちた「無料スポット」、いかなる空間も無駄にしない、という工夫を感じる「路地」や「高架下」。そして細部にまでこだわりぬいた美しき「和グルメ」。
エキマチだからこそ見つけられる日本のストロングポイントを、十分に堪能してみよう。

編集協力=小野 和哉(都恋堂)、松村 美保 取材・文=佐藤 さゆり、増山 かおり、名嘉山 直哉
撮影=丸毛 透、平澤 誠司、竹内 浩務(スタジオダンク)、中川 有紀子

    • 通人の酒席 ふくべ
    • 通人の酒席 ふくべ

    通人の酒席 ふくべ

    角のとれたカウンターに、黒くすすけた趣のある壁。創業から約80年。東京の玄関口・八重洲で変わらずに、長く愛されてきたその証が、店のそこかしこに刻まれている。日本酒は41種。「菊正宗」の樽酒をぬる燗でぜひ味わいたい。日本酒ビギナーでも心配はご無用。店主を含め、通人たちが優しく指南してくれるはず。酒好きのうんちくに耳を傾けながら、ついつい杯が進んでしまうこと間違いなし。

    〆鯖648円など食材のほとんどを築地で調達。味わい深い一枚板の檜のカウンター。2代目にあたる店主がお燗番を務める。樽から搾る「菊正宗」はふくよかな香り。

    通人の酒席 ふくべ

    詳細情報はこちら

    • 別亭神田新八

    別亭神田新八

    常時50種類以上の日本酒を揃え、お燗番がいる希少な店。席に座るなり、いきなり熱燗という常連さんも多い。美容に良いといわれる酒粕を使った料理も充実しており、熟成させた「神亀」の酒粕を使ったグラタンや、同じく「神亀」の酒粕に漬け込んだクリームチーズなども人気。毎年最終営業日にはお酒が飲み放題になる「感謝祭」が恒例になっている(詳細は要問い合わせ)。

    牡蠣と下仁田ネギの酒粕グラタン1380円、クリームチーズ吟醸粕漬け840円。お燗番の絶妙な温度管理が日本酒特有の香りを引き立てる。

    別亭神田新八

    詳細情報はこちら

    • ハタハタ屋敷

    ハタハタ屋敷

    幻の魚と称される、秋田の冬の伝統食材「ハタハタ」。12月の短い漁期に入荷する貴重な生のハタハタを心待ちにしているファンも多い。「ぶりこ」と呼ばれる卵を抱えたメスはプリプリとした食感が小気味よく、一度食べたら忘れられない病みつきの味。きりたんぽの材料を玉状にした「だまこ鍋」なる秋田の家庭の味も堪能できる。秋田色満載の店内で、ぜひ小旅行気分を。

    ハタハタ三種の味比べ1490円、だまこ鍋1人前1382円(2人前~)。地酒1合723円~も。秋田県人会のお客さんも訪れるそう。

    ハタハタ屋敷

    詳細情報はこちら

PAGETOP