2018 全国ソフト・アイスダービー

有楽町駅前にある『東京交通会館』には、全国のアンテナショップが数多く入る。
そして、各店舗で、ご当地自慢の食材を使ったソフトクリームや、ローカルアイスが売られているのだ。
果たしておいしいのはどれなのか? 意気揚々と食べ比べに行ってみたのだが……。

編集協力=小野 和哉(都恋堂) 取材・文=篠原 美帆 撮影=中村 宗徳

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    愛するあの娘のためにアイス5軒食べ比べ

     最近、甘党の彼女ができた。なんでも「ソフトクリームが三度のご飯より好き」という。ならば、彼女にいいところを見せようと『東京交通会館』を案内することに。『カフェ・プラネット・ショコラ』でコーヒーを飲んで待っていると、満面の笑みで彼女が到着した。
    「ここには、アンテナショップがいっぱいあって、ソフトやアイスもたくさん売っているんだ。どのソフトが一番おいしいか、僕が食べ比べて教えてあげるよ」
     彼女はらんらんと目を輝かせて「うん! 楽しみ♡」と返事。なんてカワイイやつだ。

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     まずは『北海道どさんこプラザ 有楽町店』で僕は「夕張メロンソフトクリーム」、彼女は「ミルクソフトクリーム」を。ひと口食べただけで広がるメロンの香りが贅沢~。ミルクソフトも北海道産の生乳の味がなんとも濃厚! まるで僕たちの愛のようだ。ムフフ。

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     続いて『大阪百貨店』で、1945年から大阪人に愛されている「北極アイスキャンデー」の抹茶味とミックスジュース味を購入。イートインスペースでお互いアイスを食べさせ合って、ここでもラブラブ再確認。僕たちの愛でアイスがすぐ溶けちゃう~。

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     食べ終えると、彼女が「おなかいっぱいになったから、後はがんばってね♡」と上目遣いで僕を見る。「じゃあ、体がちょっと冷えたから『博多うどん よかよか』でうどんでも食べようか」と言うと、彼女の表情に一瞬かげりが......。なんか変なこと言った?
     うどんにユズコショウをたっぷりかけて体が温まったところで『コウノトリの恵み 豊岡』へ。「コウノトリのお米アイス」はお米の食感も楽しめつつ、ほんのりした塩味でさっぱりしておいしいのだが......短時間でアイスを連続で食べたせいで、偏頭痛が。おでこをおさえる僕を見て「え~、うどん食べたんだからがんばってよー」と追い打ち。「よ、余裕だよ。どれもおいしくって、迷っちゃうな~」と空返事でしのぐ。

    • 05

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    『ザ・博多』の「あまおうソフトクリーム」も、イチゴの酸味と牛乳の甘さのバランスが絶妙......なのだが、もう味の優劣がつけられない状態。腹も痛くなってきた。横を向けば、ソフト以上に冷めた彼女の視線。そして、抑揚のない声で「まだ1軒、行くんでしょ」と言う。

    • 06
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    「任せな! じゃあ最後は『丘のまち美瑛(びえい)・丘のまちCAFE』な」と声を振り絞って、「ソフトクリーム ハスカップ味」を注文。酸味のあるソースがトッピングされ、甘さは控えめ。おいしいよ。でもね、今の僕には甘いのよ。血糖値MAXなのよ。ダウンした僕を見て、
    「な~んだ、情けないの。あたし帰るね」と足早に去っていってしまった。

    • 07

    07

     ソフトよりも早く解けた二人の愛......。気分を落ち着かせようと、『静岡県東京観光案内所』にお茶を飲みに行った。彼女との楽しい日々を思い起こし遠くを見つめていると、店員が近づいてきて僕にこう言った。
    「ジェラートもおススメですが、いかがですか?」
    ......すみません、今の僕にはハードです。

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