昔からその場所で愛され、誰もが親しめる中華食堂。それが“町中華”。
エキマチの繁盛店には、今日も通いたくなる理由がありました。
編集協力＝小野 和哉（都恋堂） 篠賀 典子 取材・文＝篠原 美帆
撮影＝中川 有紀子 中村 宗徳
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日本橋 大勝軒
いつまでも残したい正統派町中華の味と佇まい
初代は人形町の大勝軒本店で修業。1933年（昭和8）に開業した時には、周辺は魚河岸の名残の乾物屋などが残っていた程度。飲食店はほとんどなかったという。年月を経て、オフィスビルが立ち並ぶにぎやかな街へと発展。近隣に勤める人たちが足繁く通う人気店となった。街の歴史とともに歩んできたこの店の味は、時代に合わせて微調整を繰り返しつつも、開業当初の面影を残す。ラーメンにはドラム缶で焼くチャーシューとハムのトッピング、チャーハンの上には錦糸卵とグリーンピースなど、昭和風味のルックスも味わい深い。
自家製麺で味わうA定食（ラーメン+半炒飯）950円。
店の歴史が刻みこまれたノスタルジックな外観。
赤い椅子が印象的な1階フロア。どこかモダンな雰囲気も。
～こちらもオススメ～
B定食（ラーメン+小ライス+半餃子）◎900円
ワンタンメン◎850円
五目そば◎950円 -
宝龍
活気溢れる店でエネルギーチャージ！
JR有楽町駅のガード下でおよそ半世紀。『宝龍』はいつだってビジネスパーソンの味方だ。ランチタイムには無駄のない動きで抜群の回転率を誇り、営業マンにはうれしい通し営業。行き場のない愛煙家にも優しく、昼からチューハイを飲む人も。日替わり定食は麻婆豆腐ともう一品（取材時は卵とキクラゲの炒め）。ひと口目に肉の甘みを感じてから辛味がふわっと広がる麻婆豆腐は、ごはんとかきこみたい！ ガタンゴトン、時折聞こえる電車の音もまた趣あり。
平日50食限定の日替わり定食850円。コスパも最高！
自家製の食べるラー油。タマネギの甘みに箸が止まらない！
ランチの時間帯は7人体制で店を回す。
店頭には昔ながらの食品サンプルが並ぶ。
～こちらもオススメ～
レバニラ定食◎850円
鳥唐揚げの辛子炒め定食◎850円
茄子の味噌炒め定食◎950円 -
博雅
既成概念を打ち崩す大盛り野菜の水餃子
1948年（昭和23）創業。初代は中国・広東出身で当時の店は「広東菜館」と名乗っていた。メニューは9品ほどだったというが、今では100点を超える。名物はなんといっても水餃子だ。水餃子といえばサイドメニューのイメージがあるが、ここ『博雅』では山盛りの野菜がのった丼で登場。忙しいビジネスパーソンが野菜不足にならないようにと考案された"親心"の一品だ。丼の底には大ぶりの水餃子が6個。ニンニク不使用、ニラも少量なので、営業マンや女性でも安心だ。
水餃子（ライス付き）900円。タンメンのようなビジュアルがインパクト大。
店内は3フロア。中国語が飛び交う店は、現在3代目が切り盛り。
店内には創業当初の写真が飾られている。
～こちらもオススメ～
酢豚定食◎800円
青椒肉絲定食◎800円
黒味噌鶏肉炒め定食◎800円 -
三喜屋
この麺目当てに毎日通う人も！
創業90年、横浜出身の初代が中華街をヒントに現在地で開業。家族経営にて現在3代目。おすすめはニラそば。シャキシャキした食感を残して炒めたニラやタマネギがほどよくごま油をまとい、ほんのりと甘く香りも良い。麺は店主自ら手打ちした細麺。醤油ベースのあっさりスープとよく絡む。開発当初は全く売れなかったが、今では店の看板メニューに。「まるで演歌、演歌の世界ですよ」と笑う店主。思い入れの詰まった人気メニューをお試しあれ。
醤油味であっさりと食べやすく仕上げたニラそば。ランチ時は半チャーハンとセットで700円。
町中華の定番、麻婆豆腐定食は650円。
常連と歓談する女将の姿も楽しい、アットホームな雰囲気。
～こちらもオススメ～
らーめん定食◎700円
日替りランチ◎780円
中華丼◎750円
